méduse

妄想の中を浮遊するくらげ

現実世界

おばばさまとわたし

おばばさまとは血の繋がりはある遠い遠い親戚で薄い薄い血おばばさまはわたしの憧れおばばさまのようになりたかった一族を束ねる姿が勇ましい おばばさまはわたしが大好きおばばさまとわたし色んなところが似てるからわたしを見ると自分を見ているようだとお…

読書からわたしの時間が狂う話

わたしが本を読むのはその世界に浸れるから読んだ後も空想して現実にはいない病気になったからではなくずっと小さいころから空想家目は開いているのに目の前を見ていないことに気づく始終ぼんやりしているように見えたらしく祖父からよく注意されていた 子供…

桜が咲く頃に思い出すだろう

去年の今頃ちょうど同じ場所の桜を見ていた どこかの学校の校庭のずらりと並んだ大きな桜の木 綺麗すぎて圧倒され立ちすくむ近くで見ると視界全部が桜色 はらはらと花びらが舞い落ちるわたしの手のひらにも花びら大人げないがくるくるまわる自然と笑みがここ…

若いお友達の門出

若いお友達はこの春新しい土地へ不安と期待に胸に独り暮らしを彼女ならこの大きな一歩を自分の脚で力強く踏み出すだろう想像させてもらってわたしも嬉しい わたしの若いころを思い出すわたしにもそんな時があったとわたしの門出を祝ってくれた年上の女性をわ…

わたしの白い部屋

昔の写真は見ない変わってしまった容姿を嘆きたくないから 楽しそうに笑っているわたしにこれから起きる酷い現実をわからせたくなるから 今は一枚も残っていない わたしは今を生きている過去でも未来でもなく今を 前向きな気持ちになったのね友達はそう言う…

若い頃のわたしへ

あなたは今無なの こころが動いてないの 信じられる? あんなにはしゃいだことも あんなに人を愛したことも あんなに楽しんだことも 今は無なの はしゃぎ方も愛し方も楽しみ方も 忘れちゃったね いいよ 思い出はあなたのこころに残ってる あんまり思い出さ…

若いお友達

若いお友達とお出かけ初めてのしらない場所ドキドキしながらたどり着く 美味しいスイーツおしゃべりして楽しかったね 教えられることも言われたことを考えているわたしのこころに言葉が残る のったりしたわたしの頭の中も突然動き出す錆び付いてる場合ではな…

動物園

動物園に久しぶりに行ったの 少し肌寒い曇り空隣には心躍る暖かい木の匂い うつくしい動物達自然な姿ではないが命は見た 与えられた環境で生きている食べ物と安全な場所は確保されている自分の意思ではどこにも行けないいいとかわるいとかは言えないわたしも…

花仕事

お花仕事は好き生きているものを扱うのは神経を使う丁寧に葉を落とし、茎を洗い水揚げするわたしの指先まで綺麗にみえる ここをぞんざいに扱うとお花の寿命がたちまち短くなる 折角綺麗に咲いてくれていい匂いを放ち美しい姿を見せてくれているそのまま佇ん…

夕焼けが部屋の壁を照らすとき

夕焼けが部屋の壁を照らすとき その幻想的な空を見入ってしまう 横に長く広がった雲のかたちも可愛い その青白い雲がゆっくりゆっくり 夕陽に染まっていく 昼から夜になる前の儀式 眩しくて見えなかった夕陽が 見えるようになると 急に大きくなりこちらに迫…

母との言葉

両親に私の事を理解してもらおうと努力していない わたしは母にはわりと話しているつもり 自分の言葉で自分のこころの中を 今、感じているものを それだけで母は安心している 若い頃は都合のいい事しか話さなかった 文句を言われるのがイヤで どこに行くとか…

雪解けのおさんぽ

ぽかぽか陽気 まだ雪が残っている道を歩く 慎重にゆっくり歩く 氷った雪を避けて何度もぶつかる さりげなく腕をつかむ 歩幅はおんなじ 目的地はのんびりできるところ 少し寄り道遠回り おしゃべりして 好きな素敵な場所を教えてもらう 開けた公園 気持ちのい…

彼女の恋

若い女友達が失恋した 人づてにぼんやり聞いただけ いわゆる男の浮気単なる男の心変わり 昨日彼女の心情を見た いきなり相手の女につかみかかって行く 男が隣にいるのに 男に引き剥がされてじたばたしながら 女をどんどん殴っていた その顔の凄まじいこと 涙…

友達の好きな人

友達に好きな人がいると 何だか聞く方が恥ずかしい 中学高校生の頃は 聞きたくてたまらなった話 今の方が恥ずかしいのはなぜなんだろう 彼からのLINEを待つ気持ちとか 彼を見かけた時のドキドキとか まるでお嬢さんだった頃の友達 いくつになっても恋する乙…

満員電車

病院に行くのに電車に乗った 慣れない電車に初めは戸惑ったが 景色を眺めるのが楽しみになった 少し余裕が出てきたのかもしれない 今日は帰りが遅くなった 夕飯を外で食べたからだ 帰りの電車は満員電車 テレビでは見ていたが 実際は初めて もう無理やろ い…

今日は雪 はらはらと雪 木々に白い雪 気づけば外は白 わたしの部屋とおんなじ 雪が積もらない故郷 雪が積もるのは嬉しい 雪に埋もれていたい ぎしぎし踏みしめて 若い頃のスキーを思い出す あの人をも思い出す 今はもう行けないけれど 感覚は味わえた 雪の感…

孤独感 

孤独感 自分はひとりぼっちだという感覚。 心の通じ合う人がなく寂しいという気持ち 人間関係に関する飢餓感がもたらすこと わたしは若いころ 独りでいるときより 集団でいるときに孤独感を感じていた 人との違いをより感じていた 暗い部屋 やかましい音楽 …

歯医者さん

歯医者さんには定期的に通っている 虫歯ではない クリーニングだ 虫歯にならないように 磨きの残しをチェックしてもらって綺麗にしてもらう ここの歯医者さんにいる女性たちは 皆、若くてとびっきり綺麗な女性ばかりだ おばさんは一人もいない 確実に院長の…

友達との距離

友達と距離を取っていた時期 心配してくれているのはわかるが 会いたくなかった かわいそうと思われているその顔 私が救ってあげると意気込んでいる顔 卑屈になっているのはわたし だけど友達も自分でなくて良かったと 思っているはず わたしでもそう思う 遠…

家族のこと

わたしの家族は両親と弟妹の5人家族 弟と妹は結婚して 新しい家族がいるので 弟と妹が家族と言うと わたしは入らない 弟と妹はそれぞれ恋をし子供も3人づつ 羨ましいかと聞かれるがそうでもない 共働き夫婦の弟と妹 いつも忙しくしていて 子供との時間がない…

わたしの価値

自分の人生を自分で終了させることは いいことでない そう教わってきた 精一杯力強く最後まで生きろと わたしの治療費は税金で負担してもらっている 部分がある 毎日一生懸命働いている人達の おかげである そんな人達のお金を わたしにかける価値が わたし…

風邪

風邪をひいた 寒気から始まって鼻が詰まりのどが痛くなり咳がでた 手当てしてくれるお仕事の人はいるが 温めてくれる人もなし 慰めてくれる人もなし 優しい言葉をかけてくれる人もなし 書いてて涙ぐむ どこかに落ちていないだろうか そんな都合のいい人が …

整体院

寒くなってきたからか身体が痛い 正確にはこわばっている状態だ 病院の先生とも相談して 整体院に行ってみることに お電話でぶっきらぼうな感じの 整体院の先生 HPのお写真は男前で 優しい感じだったのにがっかり お会いしたら少し笑顔が 見れて安心したが …

生存確認

友達と離れてみてわかることがある 一緒にご飯を食べることは とても貴重な時間だった 明日会えなくなっても 昨日の会話は覚えている 昨日の笑いあった顔も覚えている 昨日の切なくなった顔も覚えている 昨日の切なくなった理由 わたしの病の話 直ぐには死な…

明日の天気

明日の天気を見なくなったのは いつからだろう きっと外出しなくなってから この小さな家でわたしの生活は完結する インタ-ネットのおかげで退屈はしない 映画も読書も友達との会話も買い物も だけど誰とも触れ合うことはない この国は ハグだの軽いキスだ…

お隣さん

お隣のご家庭はご夫婦と3歳の娘さん ご夫婦は共働き 彼らの朝は娘さんの絶叫で始まる イヤイヤ期と言うらしい なんでも自分でする とりあえずイヤがる 毎日毎日絶叫と泣き声が お隣から聞こえてくるが わたしはいやではない 3歳の女の子が その小さな身体い…

この無機質な家に慣れた頃 ふと、花を飾ることを考えてみた 花ならばわたしにもお世話ができる 植木は期間が長すぎる 花の命は短い 短いが美しい わたしは美しくない 若い盛りを過ぎてしまった もしかして一番いい時期を病院で過ごしたのかしれない 一番いい…

誰も言わない

逆さまに落ちていく感覚に 支配されているときがある 病院での検査の時 たくさんの検査事項に うんざりしている間もなく 次から次へとどこかの部屋に 連れていかれる 検査なのだから仕方がないが 裸にされるとひどく恐怖におびえる 羞恥心ではない うずくま…

誕生日

わたしの誕生日近くは 同じ月生まれの友人と たくさんの友達とでお祝いする 学生時代からずっとそう 友達の旦那さんその時の彼氏、友達 同僚、兄弟たくさんの人が来る はじめましてから元気だったまで 長い年月が経ち旦那さん達は来なくなり 彼氏も兄弟も友…

さんぽ

さんぽは好きだ 歩いていると足が元気になる いつもは足はあんまり役に立たない 冷たく硬い足 じっと動かない足は足ではない 足は飾りではない 動くうちは足を元気づける こんな都会の道路ではなく どこかの森の中を歩いてみたい 森の匂いを感じてみたい 樹…