méduse

妄想の中を浮遊するくらげ

温泉

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友達と地元の老舗の旅館に泊まった

 

 

久しぶりの再会で

 

お酒と豪華な料理に目眩がした

 

たくさん話して笑った

 

 


病気の人には見えない

 

友は口々にわたしを喜ばせた

 

 


温泉にも入った

 

何年ぶりだろう

 

子供の時以来だ

 

 

服を脱ぐのは病院で慣れている

 

さっさと脱いでいると

 

 

 

あなたの身体、無駄に綺麗よね

 

誰にも見せることないのに

 

 

 

ひとりの友が

 

わたしの身体を見てそう言った

 

その瞬間他の友が凍り付いた

 

わたしは笑ってありがとうと言った

 

 


お酒が回っている友は

 

しげしげわたしの身体を見ていた

 

 

 

友の身体は二人の命を育んだ身体

 

余分なお肉がついているかもしれないが

 

わたしには眩しかった

 

生命を生み出した身体

 

それだけで神秘的だ

 

そう思うと神々しい

 

 

 

誰にも見せない

 

綺麗なわたしの身体は無駄だ

 

友の言うとおり

 

 

悲しくはない

 

わたしの身体を褒めてくれた友に

 

感謝している

 

まだ美しい部分が残っていると

 

思わせてくれたから

 

 

若くはないわたしの身体

 

丁寧に身体を洗って

 

わたしがわたしの身体を愛でる

 

 

 

 

 

 

 

 ~はじめまして~

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